経理の合理化 | 税理士法人田子会計事務所のブログ

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経理の合理化

経理の合理化

DX、IT、AIなどの言葉は流行りのようによく聞きます。しかし、中小企業の多くはこれらを苦手としています。はい、私も苦手意識は正直あります。が、経理の世界ではこれらIT、AIなどをうまく活用することで、経理業務を省力化することが可能です。コロナの影響で売上が下がり経費も見直ししなければと思う中小企業も少なくないでしょう。そんな時に、昔のままの経理のところは、経理業務に改善の余地がたくさんあると思います。

経理業務を改善する手順

経理業務を改善するにはまず、現状の作業内容を洗い出し、どのようなことにどのくらいの時間がかかっているのか確認しましょう。これにより、経理に必要な全体の時間が明らかになります。

次に現状の問題点や課題を見つけます。問題点の把握については、 ECRSの原則を活用するのがおすすめです。ECRSの原則は、経理業務を合理化するための原理・原則です。以下の4つの視点から、現状の課題を導きます。

ECRSの原則

排除(Eliminate)・・・無駄な作業や工程をなくす

統合(Combine)・・・2つの工程を1つにまとめられないか

順序の変更(Rearrange)・・・工程の順序に間違いはないか

単純化(Simplify)・・・シンプルにして作業内容を簡略化できないか

最後に、問題を解決するための改善提案を考えます。

解決策は緊急性や重要度によって、優先順位をつけましょう。

経理業務の具体的な改善方法

経理業務を改善するには、具体的な方法をみましょう。

キャッシュレス化

キャッシュレス化が進んでいます。会計でもキャッシュレス化が実現すると、現金出納帳や伝票を作成する手間が省けます。結果、業務効率が改善します。会計はお金の流れをデータとして処理するため、計算ミスが発生せず、余計な人件費もかかりません。現金だと日々の業務が煩雑になりがちで、細かな作業ミスも発生するでしょう。

キャッシュレスはデータで取得できるので、データ取得し、間違いをなくし、経理を迅速化しましょう。

計上を1度にまとめる

経費精算や会計処理などを月に1度まとめましょう。まとめて計上すると、一つの取引で済みます。支払いも月1度になり、振込作業や資金繰りなどが楽になります。計上を1度にまとめても、実務的には問題ありません。法律でも、青色申告は少額の取引であれば、1度に計上をまとめてもよいことになっています。

ただし、金額が大きくなる場合は、分けて計上が必要です。

預金通帳を一つにする

預金口座はいくつ必要ですか?と聞かれますが、少ない方が管理は楽です。預金通帳をひとつにまとめると、取引先とのお金の流れを管理しやすくなります。口座間での資金移動や記帳・残高確認の手間も減ります。

成長に伴い取引先も増えますが、預金口座はメインバンク1つにまとめた方が無駄なコストは減ります。入金用と出金用の2つの口座があれば問題ないでしょう。

経理業務を効率的に改善する方法

経理業務をもっと効率的に改善する方法はないのでしょうか。

税理士に相談する

経理に大きく関わってくるのが税理士サービスです。中小企業も税理士に依頼しているところが多いでしょう。経理の省力化は税理士にご相談することをお勧めします。その場合に、「今のままでいい」という税理士さんの場合は、セカンドオピニオンなどで他の税理士の意見を聞いてみることもお勧めです。経理は聖域になってしまっている中小企業が多いので、聖域化せずに、多くの意見を取り入れて効率化を図ることが経営を伸ばすうえで大切です。

経理代行サービスを利用する

経理代行は、すべての経理業務を外注化できるサービスです。仕訳や記帳、給与計算、請求書や伝票の作成、確定申告など経理に必要な作業をすべて代行してくれます。人件費の削減や正確な経理処理の実現、最新の税法対応など、実務的なメリットも多いです。税理士事務所等でも代行しているところもあります。

ただし外部に委託するため、情報漏洩のリスクがあり、プランによっては高額になる可能性も高いです。さらに経験や知識を共有できないため、社内で経理担当者を育成するのには向きません。

メリット・デメリットがあるので、自社の目的や状況に応じて使い分けてください。

ITツールを利用する

RPAを導入する

RPAは、設定したルールに応じて、業務を自動化できるツールです。

今まで人間がやっていた作業を代行するため、業務の効率化や工数の削減効果が期待できます。経理業務においても同様で、伝票データの自動入力や帳簿の自動作成など、経理業務を効率化するための機能が豊富です。RPAの導入により業務負担を9割削減した企業や、作業時間を1/6~1/10まで減らした企業など、成功事例も多く報告されています。

データ入力や帳簿作成、金融機関との照合などを効率化したい方は、ぜひ導入しましょう。

会計ソフトを導入する

会計ソフトは、仕訳や記帳、各帳簿類や決算書の作成などを自動化できるツールです。従来の方法では、取引が生じるたびに伝票を作成し、仕訳や転記、集計といった作業が必要です。スピードが求められるため担当者の負担が大きく、計算ミスも発生しやすいでしょう。

会計ソフトを導入することで、仕訳や転記、集計といった作業を自動化できます。人力での作業がデータ入力のみとなるため、入力や計算のミスも発生しずらくなるでしょう。財務諸表を自動作成できるため、経営状況を可視化することも可能です。

会計ソフトを使って経理業務を劇的に改善しよう!

経理業務を改善するにはまず、すべての作業工程を洗い出し、現状の課題を見つけます。課題が見つかったら、それを解決するための改善提案を出し、実行しましょう。具体的な施策の例は、以下のとおりです。

  1. ■キャッシュレス化を実行する
  2. ■計上を1度にまとめる
  3. ■預金通帳をひとつにまとめる

効率的に改善するには、経理代行サービスやITツールを活用するのがおすすめです。会計ソフトを使って、経理業務を劇的に改善しましょう。

弊社では経理業務の効率化も積極的に行っています。手書きのまま、伝票を使っている、昔のエクセルのまま等の場合は、早急に見直した方が良いと思います。是非一度ご相談ください。