経営力向上計画の活用 | 税理士法人田子会計事務所のブログ

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経営力向上計画の活用

経営力向上計画の内容

経営力向上計画とは?

経営力向上計画は、条件に該当する中小企業(資本金や従業員数の制限あり)が、特定の書式に基づいて事業計画書を策定したものです。これを所管の省庁から認定を受けることで、優遇税制や金融支援などの特典を活用することができるようになる制度です。

経営力向上計画のメリット

1.優遇税制(経営強化税制)の適用

建物附属設備、機械装置、一定の工具や器具備品、ソフトウェアなど、一定の設備投資を行うとき、その投資の規模や効果についてまとめた経営力向上計画を策定し、認定を受けることで、一定の優遇税制を適用することができます。

  • 即時償却

設備取得の時に、全額(100%)を損金(経費)として計上することができます。

  • 税額控除

税金の計算上、取得価額の10%相当額の税額控除を受けることができます。
※一定規模以上の法人は7%。また一定の制限額があり。

2.所得拡大促進税制の上乗せ

企業が従業員に対する賃金の支払額を増やした場合、その増加額に応じて法人税などを控除する「所得拡大促進税制」があります。

前期より1.5%以上の賃上げをした場合「対前年度で当年度において増加した賃金総額」の15%が税額控除されます。これは経営力向上計画の認定を受け、その計画に基づいて経営力向上がなされている場合に限ります。

さらに、前期より2.5%以上の賃上げをした場合には、「対前年度で当年度において増加した賃金総額」の25%の税額控除をすることができます。ただし、法人税の20%が限度です。

3.政府系金融機関からの制度融資

日本政策金融公庫による制度融資を、経営力向上計画の認定を受けている企業は活用することができます。新事業の開拓、経営の多角化などを進める場合に、政策金融公庫が掲げる基準金利の-0.9%という低金利による融資を受けられる可能性があります。

そのほか、ものづくり補助金などの申請に関する審査時に加点がされる、M&A実施時における優遇税制(登録免許税や不動産取得税の減免)など、多種多様な特典が用意されています。

本制度の適用を受けられるか否かにより経営に大きく影響します。上記の通り、税負担の金額や資金繰りの改善などにおいて大きな差が出てきます。

経営力向上計画の流れ

経営力向上計画の作成で注意したいのは申請の流れです。

基本的には、経営力向上計画の作成をして認定を受けてから、設備等の購入となります。申請から認定までは1カ月程度かかるので注意しましょう。また、現在は特例で設備投資から2カ月以内に申請すれば大丈夫です。

申請内容

申請の記載内容は、自社の事業概況や、自社の商品。サービス、顧客、市場、競合、労働生産性、取得する設備の内容等などを記載することとなります。ボリューム的には2枚程度なので、慣れている方はそれほど大変でないと思います。慣れない方は税理士等の認定支援機関にご相談ください。弊社も認定経営革新等支援機関です。

参考

参考:中小企業庁『経営サポート「経営強化法による支援」』

参考:中小企業庁『- 中小企業等経営強化法 – 経営力向上計画策定の手引き』