役員報酬の設定 続き | 税理士法人田子会計事務所のブログ

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役員報酬の設定 続き

支給限度額の設定

 定款や株主総会の決議で定められた役員給与の限度額を超えて支給された役員給与は、その超える部分の金額が過大な役員給与とされて損金にはなりません。そのため、過大な役員給与とならないようにするために、支給限度額をできるだけ高めに設定しておくことをおすすめします。また、支給限度額は総額で定めておくこともポイントです。役員給与の限度額が個々の役員ごとに定めてしまうと、総額では支給限度額の範囲内であっても、個別の役員では支給限度額を超えてしまうこともありえるからです。支給限度額は総額で定めておきましょう。

 また、使用人兼務役員の場合には、支給限度額に使用人としての給料に相当する部分を含めないと定めておくことをおすすめします。そうすることで、使用人分としての給与の適正額を支給限度額の枠外とすることができるのです。株主総会の決議においては「役員給与の支給限度額には使用人兼務役員の使用人としての給与は含まない」と定めておきましょう。

非常勤役員給与のすすめ

 これまで、非常勤役員に対する給与は、月等を単位としていなくても、毎年所定の時期に定額を支給するものであれば、損金に算入することができました。ところが、平成18年の改正で定期同額給与以外の役員給与については、原則として損金に算入されないこととなりました。ただし、年に1.2回支払う役員給与であっても、税務署へ事前のその届出をしていれば、「事前届出給与」として損金に算入できます。届出の期限は、原則として、株主総会等で非常勤役員に給与を支給する旨の決議をした日から1カ月以内となりますので、注意してください。もしこの届出をしない場合は、年払いや半年払いをやめて、年間給与を12で割って、毎月同額を支払うようにしましょう。

役員給与の増額のタイミング

 これまでは、役員給与の支給限度額の範囲内であれば、たとえ期中であっても原則として役員給与の増額が可能でした。ところが、平成18年の改正で期中の増額支給が認められなくなってしまいました。もし期中で役員給与を増額支給した場合には、その増額した部分の金額が臨時の役員給与として損金不算入となってしまいます。

 役員給与を増額したいときの解決策は、事業年度開始の日から3カ月以内に役員給与を増額し、なおかつ増額後毎月同じ金額で支給することです。役員給与の増額は、期首から3カ月以内と覚えておきましょう。

 なお、減額に関しては、経営状況が著しく悪化した等の理由による場合には特に問題ないとされています。

役員報酬の設定後

役員報酬の改定等が終わったら、議事録を整備し、社会保険も変わってきますので社会保険の変更手続きが必要です。きちんと整えておきましょう。