消費税は誰のもの? | 税理士法人田子会計事務所のブログ

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消費税は誰のもの?

「税に関する作文」

  もう少し残暑が続きそうではありますが、暑かった夏が今年も終わりを迎えようとしています。前橋市内のある高校の夏休みの宿題(社会科)に、「税に関する作文」が出たようです。普段、まだあまり税を身近に感じない世代にとっては、難しいお題だったようです。ただ逆を言えば、宿題とは言え、税金について考える良い機会だったのではないかと思います。        

 社会に出ると、様々な場面で税金を払うことになります。税金を払うことによって私たちはどんな恩恵を受けているのか、小中高生にも今から少しづつ、家庭や学校でわかりやすく伝えていくことが大切だと思います。租税教室のような機会が今以上に増えると良いと思います。

 

消費税の税率は7.8%?

 さて、冒頭の問いかけは正しいでしょうか?「消費税は10%でしょ?でも食料品は軽減税率がかかるから8%だよね。じゃあ7.8%って何だろう?」と思われる方が多いかと思います。

 実は、消費税は7.8%で、これに2.2%の地方消費税(消費一般に広く公平に負担を求める道府県税)を合わせて課税するため、合計で10%の税率になっています。なので、少し難しい経理の本などでは、消費税ではなく、消費税等と記載されます。この「等」は、地方消費税を意味しています。ではさらに詳しく説明すると、軽減税率8%の内訳は、消費税6.24%、地方消費税1.76%で合計8%になっています。

消費税は「お客様から預かったもの」

 所得税や法人税は、原則として利益(儲け)に対してかかる税金です。ですから、赤字の個人事業者や会社にはこれらの税金はかかりません。

 しかし、消費税は赤字の会社にもかかります。

消費税納税のしくみ⇒「売上高にかかる消費税(+)」と「仕入にかかる消費税(-)」との差額を納める

 例えば、人件費がかかりすぎて(-)赤字になっている会社は消費税の負担が大きくなります。消費税は、お客様から預かったものを国に納める、ということですが、納税者(この場合は個人事業主や企業を指します)の負担にならないとも言い切れません。

消費税の「中間申告」とは?

 また、消費税には中間申告という確定申告とは別の申告があります。これは、確定申告における確定消費税額が48万円を超えると、翌年に義務となる申告です。

 中間申告という名称から、1年の半分となる6ヶ月終了時点での申告をイメージしがちですが、基準となる確定消費税額によって、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月中間申告の3種類に分かれます。法人(企業)だけでなく、個人事業主でも、6ヶ月中間申告が必要となる場合があります。申告時期が近づいたら事前の確認が必要です。個人事業主は会計期間が1月~12月ですので、半期が6月となります。そうしますと、その2ヶ月後の8月末が申告期限となりますので、該当するお客様には事務所からもお知らせします。

前年の確定消費税額と中間申告の種類との関係は、以下の表のとおりです。

       前年の確定消費税額     中間申告の種類(回数)
         4,800万円超     1ヶ月中間申告(年11回)
       400万円超4,800万円以下     3ヶ月中間申告(年3回)
         48万円超400万円以下     6ヶ月中間申告(年1回)
             48万円以下         中間申告は不要

※上表の確定消費税額には、地方消費税の金額を含まない。

※1ヶ月中間申告が12回とならず11回となる理由は、確定申告月には中間申告をしないため。3ヶ月中間申告が3回となる理由も同様。

中間申告で納付する税額の計算方法

 中間申告で納付すべき税額は、1ヶ月中間申告の場合、前年の確定消費税額を月割り按分(あんぶん)した1ヶ月分です。3ヶ月中間申告の場合と、6ヶ月中間申告の場合も、それぞれ前年の確定消費税額を月割り按分した3ヶ月分と6ヶ月分です。ただし、これは原則的な方法です。この他に仮決算方式という計算法もあります。

  消費税については、納税義務者になることを選択したり、簡易課税制度(みなし仕入率を用いて控除対象仕入税額を計算する方法)を選択するなど、納税者の選択に委ねられている部分も実は多くあります。届出の種類も多岐に渡りますがタイミング良く各種届出書を提出することで、節税できることも少なくないのです。

 群馬県前橋市にあります税理士法人田子会計事務所では、税務会計処理を通し、知識と経験豊富なスタッフが皆様のより良い経営のバックアップを致します。ぜひ一度ご相談下さい。