経理における通帳の効率的利用の方法
~通帳にメモを残しておけば、 帳簿付けがスムーズにできる~
通帳に出入金の記録をメモしよう
人員にゆとりがなく、 経理専門の担当者の場合、帳簿付けの作業は数カ月に度、あるいは決算前にまとめてやるところもあるかもしれません。
こんなときに頼りになるのが預金 (貯金) 通帳です。 通帳ほど確かな経理資料はありません。
まずは通帳の記録をベースに、各明細に該当する請求書などと照合しながら帳簿付けを行い、通帳では把握できない現金のやりとりは領収証などで確認しながら追加していくのが一般的なフローでしょう。
こうした一連の作業は、 通帳に一工夫加えるだけで、より効率的に行うことができます。
それは記帳した際、後で何のお金かわからなくなりそうな明細については、通帳に直接メモしてしまうのです。
振込や振替については、基本的に相手先の名前が通帳に記録されているの でメモは不要ですが、 可能であれば、該当する請求書や領収証などと合番を振っておくと、後で帳簿を付ける際に書類を探す手間が省けます。
一方、現金の入出金については、必ずメモを付けておくようにしましょう。
なぜなら、時間が経てば経つほど、「この5万円は、何のために下ろした のかな?」とか、「何でこの日に、3万円を入金しているのだろう?」とい ったことが起こりがちだからです。
ですから、記憶が鮮明なうちに、 通帳にお金の使途などをメモしておき 後で帳簿を付ける際に無駄な労力や時間がかからないようにしておくのです。
通帳にメモ書きするときの注意点
込みエラーになってしまわないかと心配される方もいるかもしれません。 通帳に直接メモを書き込んでしまうと、店頭で注意されたり、 ATMで読みこみエラーとはなりませんのでご安心ください。
しかし、次の2つのルールを守るだけで問題はありません。
ルール1:通帳の未記入部分には記入しい。
ルール2:バーコードになっている部分へは記入しない。
すでに印字されている部分については、 明細が読めなくなるような状態に ならなければ、いくらメモしても大丈夫です。
税務署の立場から考えても、目を光らせているのは、社長個人へのお金の 流用や使途不明金がないかであり、その意味で、通帳にメモを残しておくほうが証拠となって信用を得やすくなります。