売掛金の回収 | 税理士法人田子会計事務所のブログ

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売掛金の回収

商売で大事なのは売掛金の回収です。売上に計上されても回収されなければ何の意味もありません。

代金回収できなければ、 請求書はただの紙です。「請求書」 の管理は 代金を回収するまで続くものです。

飲食店やショップなどを除けば、ほとんどの商取引は「請求書」の発行による 「掛け商売」 で行われます。

掛け商売では、納品してから入金までに数カ月要するため、定期的に通帳 を確認するきまりをつくっておかないと、 未入金のまま何カ月も放置してし まうことにもなりかねません。

決算期まで気づかずに1年近く放置してしまえば、請求先に未入金である ことを確認してもらうだけでも一仕事となります。

たとえ未入金であることが確認できても、請求先の資金繰り状況によって は、すぐに支払われるとはかぎりません。 さらに売掛金は放っておくと、 請求する権利を失ってしまいます。

請求書にかかわる仕事は、作成すれば終わりではなく、お金を回収できてはじめて完了となります。

売掛金が多ければ、 決算上はいい数字が出るかもしれませんが、肝心なことは実際に使えるお金です。 融資の審査を受けるような場合も、 あまりに未回収金が多いとマイナスに評価されます。

代金回収してまでが大切と意識しましょう。

代金の取りはぐれを防ぐには、請求書を 「未入金ファイル」 と 「入金済み 「ファイル」の2つに分けて管理する方法が有効です。

第1ステップとして、請求書を作成したら必ずコピーをとり、未入金ファイルに入れます。

そして、第2ステップとして、毎月一度決まった日に、 通帳の明細と未入金ファイルに綴られた請求書を照合し、入金のあったものについては、入金済みファイルに移動させます。

たったこれだけのルールを守ることで、未入金ファイルを開けば、一目で 未回収の請求書を把握することができます。

さらに未入金ファイルから入金済みファイルに移すときに、入金日を請求書にメモしておくと、 後々、 帳簿を付ける際に通帳の明細から該当箇所をすぐに発見でき、効率よく作業を行えます。

未回収の請求書を把握することができたら、回収の動きをすることが大切です。

早く円満に回収するコツとしては、いきなり法的措置は取らず、段階を踏むことです。


①まずは電話で催促

電話は一番手軽で、一番コストパフォーマンスの良い請求方法です。期日を伝えて、まずは振込を依頼しましょう。
②請求書や書面にて支払い催促をする

電話番号が不明な場合、または料金未納で通じなくなってしまったなどで請求したくても請求できないときには請求書を書きましょう。
③内容証明郵便で督促状を送る

内容証明郵便のメリットとして、消滅時効を一時的に中断させることができる点があります。また、相手に対して心理的プレッシャーを与えることができます。

Check Point 債権の消滅時効

売掛金は、債権の一種。債権は一定期間行使しないでおくと、権利が消 滅する。商行為によって生じた債権の時効は原則5年。さらに民法では短 消滅時効として、 3 年、 2年、1年で時効消滅する債権がある。

債権の種類と時効までの期間

地代家賃5年
営業上の貸付金立替金5年
建築代金3年
物品販売代金2年
飲食代金1年
宿泊料1年
運送費1年
レンタル・リースなどの料金1年

・請求書を送り直すだけ では、請求書を相手が 受け取っていることが 明らかであっても時
効の中断とはならない
・時効が成立した後で、相手が自発的に支払っ てきた場合、受け取っても問題ない。 時効後も督促はできる が、相手が時効成立を
主張した場合、 有効な 手段はない。

時効の中断方法

時効の進行を止めることを「時効の中断」という。時効を中断するに

は、以下のような方法がある。
①相手に債務の承認をもらう。
・売掛金の残高確認書に、 相手から確認の判を押してもらう。 1円でいいので売掛金の一部を回収し、領収証を発行する。
② 請求書を内容証明郵便で再送付し、 その催告が到達した時から6カ月以内に訴訟の手続きを取る。

③差押え・仮差押え 仮処分の請求をする。